子犬のしつけ何から始めれば良い?

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子犬には何から教えればいい?

犬のしつけに正解はなく、色んな観点からのアプローチがあります。

私はドッグトレーナーを15年やっています。
今は応用行動分析学(ABA)を基にしたアプローチを行っていますが、どんな学問であれ確実に言えるのは、日々アップデートされているという事。
今日は上手くいかないかもしれませんが、明日には上手くいくものが開発されているかもしれません。⁡
これを踏まえて参考にして頂きたいです。

《今日現在で推奨する子犬のしつけは2つ》
絶対的なスタートは トイレトレーニング 、次はリラックスです。

一つずつ解説します。

トイレトレーニングを何より優先しよう

犬には排泄しやすいタイミングが四つあります。

  1. 食後
  2. 水を飲んだ後
  3. 運動後
  4. 寝起き

⁡このシチュエーションの後にトイレ(可能ならケージもしくは囲いのある場所)に誘導させる事が出来れば、ほぼほぼ成功させる事が出来ます。これで上手くいかない時は

  • 誘導は出来たけど何時間も我慢する⁡
  • 誘導しようとすると噛んでくる
  • 誘導に乗ってこない
  • ちょっとだけ外す
  • ケージに入れたら出せと吠える 他

⁡上記のように細かく枝分かれしているはずです。
一つだけならまだ何とか自力でいけると思いますが複数が絡む時もあり、そうなると専門家に相談した方が早くなります。

トイレトレーニングは生理現象ですから、回数を重ねるのが唯一難しいものですから変化が現れるまでの目安は2週間です。
2週間で変化を感じられない時はプロへ相談するのも視野に入れおきましょう。

次はリラックス

⁡リラックス?そんな事より、しつけを教えて!
という声が聞こえてきそうですが、「しつけ」はリラックス環境があるのが前提の話になります。

質問です。
家の中でリラックスしている犬と、常に興奮して動き続ける犬。どちらと暮らしたいですか?
恐らくですが、家の中では落ち着いて欲しいと思っていると思います。

では、少しでも早くリラックス状態を作るためにはどうしたら良いでしょうか?

リラックスは、いわゆる《慣れ》によって起こるものと定義しています。

⁡想像してみてください

「あなたは犬です」
ブリーダーなりペットショップなり保護施設なり、とにかく外から飼い主さん宅に来ました。
⁡家にどんな生き物がいて、どんな建物になっていて、どんな音が鳴って、どんな物があるのか何も分からない。⁡

あれもこれも気になって仕方がない興味心あれもこれも見た事がない不安

どちらか一つ、もしくは2つが同時に起きていると思います。⁡

そんな時に、トイレトレーニングだ、ハウストレーニングだ、無駄吠え対策などやったって上手く行くわけがありません。⁡
だってそれどころじゃ無いから。。。

それならリラックスが先なのでは?

本音を言えばリラックスが先でトイレトレーニングは後です。
ですが、リラックス状態になるのはいつになるか誰にも分からないですし、一切リラックス状態にならないかもしれませんので同時進行でやるのがベストです。

何をすればリラックスするのかは個体によって違いますので、明確にコレ!というものがありませんし、「マテ」や「ヤスメ」のような指示・命令でもありません。

じゃあ何をすれば良いんだ!という声が聞こえてきそうですが、冒頭でお話ししたように、リラックスは「慣れ」によって起こるもののため、 正解は「何もしない」です。

何もしないと言うと語弊がありそうなので補足すると「スタンダード」を知ろうと言うもの。

何もしないと何が起こる?

当然ですが犬は犬としての行動をします。
当たり前じゃん!と思うかもしれませんが、どんな飼い主様も、すぐ犬を制御しようとしますので、犬らしい行動をさせたがりません。

  • 手、足、家具を噛む
  • ケージから出せと吠える
  • 排泄する
  • ご飯の準備で吠える

世間一般的に問題行動と呼ばれることを犬は生涯やり続けますが、それは良しとされず、「犬のしつけ」は、犬として生きにくい事をさせるものという認識に変わってしまったように感じます。

「何もしない」事は、愛犬が自分はこういう存在だと教えてくれます。つまり、スタンダードを教えてくれる訳です。
スタンダードも分からず、いきなり何か始めてしまえば、スタンダードは必ずスタンダードで無くなります。

  • 吠えるのは何分で止まりますか?
  • 噛むのは何秒間続きますか?
  • これらは自然に止まるまで待つ事は難しいですか?

「何もしない」事は『愛犬のスタンダードを知る事』に繋がり、『何が好きで、何が嫌いで、何をしたらリラックスするのか』の基準を教えてくれるはずです。
だからこそ、リラックスしてもらう為(慣れる)に、何もしない事が良いと思っています。

そうは言ってもこれ以上は耐えられない!そんな時はいつてもご連絡ください。

お出かけ先でもリラックスする事を教えよう

私が運営する保育園では、知らない人(トレーナー)や、知らない場所(保育園)に慣れるのに平均3回かかります。⁡
いきなり入園しても、まだプチパニックみたいな状態ですから、トイレなんて上手く行くわけがないし、不安で仕方ないからパニック吠えも出ます。
それは当たり前の事だから、《慣れる》までは何もしない。つまり《何もしない事》は《慣れるトレーニング》をしているとも表現出来ます。この感覚伝わりますか?

つまり、お出かけ先に慣れるのには時間がかかる!という事を予め知っておいて欲しいという事です。

⁡⁡⁡子犬を迎えたら、「トイレトレーニング」と「リラックス」の2つから取り組んでみてくださいね。
吠えや噛みつきはそれからで十分です。

ただ、頭で分かっていても実際には上手くいかない事が現実です。
プロに頼るのは恥ずかしい事ではないですから、『こんな事で相談して良いのかしら?』と思わず、お気軽にご相談くださいね👍

もしドッグトレーナーを探す時は
「応用行動分析学(ABA) ドッグトレーナー」
で検索し、サポートを受けてみてください。もちろん、私達へのご相談でもOKです!

この記事を書いた人
柴田正樹

当サイト管理人。
2006年よりドッグトレーナーとして千葉県市川・船橋エリアを中心に活動開始。
今は応用行動分析学(ABA)をベースとし、犬の保育園とトリミングサロンで1日30頭のワンコ達と飼い主様のケアに力を入れている。
犬の飼育放棄を0にするため、飼い主様のケアが出来るドッグトレーナーの育成にも力を入れている。
■資格
日本ドッグパーク普及協会 A級ドッグアドバイザー
DLC-PRO会員

2022年5月13日

Posted by 園長柴田